ただ、ボラを愛でたくて。BL感想日記

ただ、ボラを愛でたくて。BL感想日記

ミーハーとマイナー上等。ニアもブロマンスもニオイ系も好き。読んだBL感想をネタバレなしでレビューします。

これはBL…なのか?(いや違うと思う)とある同性愛要素含む海外ミステリ小説感想

SNSで「BLじゃないよと装ってBL大団円な海外ミステリ」という趣旨のコメントを見かけて、とあるドイツミステリを読んでみた。

 

ネレ・イノハウスの「深い疵」という作品だ。BL大団円というのがある種のネタバレなので、どんな人物たちのBLストーリーなのか、ということは伏せておく。

 

BLミステリ!!!と期待してワクドキ手に取った私が言うのもなんだけど、これってBLを期待して手に取っていい本ではない気がする。でも、ミステリ小説として震えるほど面白かったし、愛し合うメンズが重要なポジションにいるので、におい系の一般小説が好きな方は手に取ってみて損はないだろう。というか、BL云々抜きにして非常に引き込まれる物語だった。

 

本作はホロコーストという凄惨たる歴史を背景にした、連続殺人ミステリだ。著名な老人が射殺され、司法解剖してみるとユダヤ人のはすがナチの親衛隊員だった…という謎から幕が上がる。

 

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この登場人物リストの数…!歴史物が苦手なのもあるし、ドイツ文学に馴染みがないのもあって、読み出す前に少し怯んだことは告白しておこう。

 

でも一旦ページをめくり出すと、映像が浮かぶような文章と引き込まれる展開ですぐさま物語に没入できた。文庫にして500P超えの大作で読み終えるのに1週間はかかったけども。

 

もともと刑事オリヴァー&ピアシリーズの1作らしく、主要人物たちの変わりゆく関係性を読むのも楽しかった。シリーズ他の作品は同性愛要素皆無だろうけど、読んでみたいと思っている。

 

というか、これってBLとか言っていいんだろうか。そもそもBLとは何だろう(哲学的問い)

 

今は多様なジェンダーに寛容になってきた反面、ある種では敏感さが増したようにも思う。たとえば男性同士の同性愛を取り扱った作品をすべてBLと言ってしまうのは、ちょっと違うというか。

 

だから本作をBLとしてオススメはしかねる。愛し合う男性同士は出てくるが、そこが物語の本質ではないし、面白さでもないからだ。

 

ちなみに非BLで愛し合う男たちの海外小説で私がバイブルと思っているのは、ポピー・Z. ブライトの「絢爛たる屍」だ。孤独な連続殺人鬼ふたりが運命的に出会い、凄惨な共同作業がはじまるというエログロなホラーミステリ。

 

なかなか描写がエグいので人を選ぶ、かつ絶版本で入手が難しいものの、耽美で猟奇的なラブストーリーは一度読んだら忘れられない。

違くていい。そのままでいい。ゲイ息子と父の会話に泣いた「雨上がりの僕らについてーそのさきー」感想

恋愛ってふたりでする一大イベントだけど、人生でいうとほんの一部ですやん?

 

なんやかんやあって2人はようやく結ばれました、めでたしめでたし。…とはならんのが「人生」ですやん?

 

単行本発売に先駆けて、pixivコミックで「雨上がりの僕らについてーそのさきー」(らくたしょうこ)更新最終話を読んだら、ゲイであることを告白した息子と頑固親父のやりとりが胸熱すぎて朝から泣いてしまった。

 

本作はゲイであることを周囲に隠しながら生きてきた奏(かなで)が、高校時代の親友で想い人の真城(ましろ)と6年越しに再会、結ばれるまでを描いた切なくも爽やかな社会人BLマンガ。の、待望の続編だ。

 

もともと人間ドラマが丹念に描かれた作品で、前作でも奏がゲイとは知らず想いを寄せる職場の女性や、夫を亡くしたショックから精神が弱っている真城の母親など、ふたり以外の人たちとのやりとりから、ふたりが試されたり、絆を強くしたりする。

 

過激な濡場シーンは一切なし。純粋な気持ちで、色んな障害に立ち向かうふたりを応援したくなる作品だ。

 

続編では、ついに奏が家族に自分のことをカミングアウトするのだが、そのやりとりが本当につらくて、温かい。

 

奏と本音をぶつけ合うシーンで、父親は「俺とお前は違ったんだ」とガッカリする。決して、いい顔はしない。一方で奏は、確かに父親をガッカリさせてしまった、と自覚する。

 

けれど、父の言葉は続く。自分が子(奏)をもって本当に誇らしくて、幸せだったこと。だから、息子もその道を当たり前に辿ると思っていたこと。それが違ったから、力が抜けてしまったのだ、と。

 

そして奏は気づくのだ。「自分は父をガッカリさせてよかったんだ、自分はこのままでよかったのだ」と。親の愛は、奏が考えるほど薄っぺらなものじゃなかった。正直、こんな親ばかりではないと分かっているから余計に、「奏~よかったねえ( ;∀;)」と泣けてしまった。

 

恋愛にしろ、家族愛にしろ、語ろうと思えばいくらでもドラマチックにはできるけど、実際はそんなに素敵じゃないし、「勘弁してくれよ…」って避けたくなることの連続で。

 

煩わしくて、手放せたらラクなのにって思うのに、でもやっぱり、それができたら苦労しないよなという話で。

 

めんどくせーけど愛おしい。めんどくせー込みで、あったかい。ひと山越えた奏よ、これからもずっと、真城と幸せであり続けてくれ。

 

 

 

▼雨上がり~が好みの方はこちらもオススメ!

高校時代に想い合っていたふたりがすれ違い、5年後再会するけどもどかしい関係を続けるBLマンガ

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妖しくにおう世界観。ミステリホラー映画『さんかく窓の外側は夜』感想

2021年12月現在、Huluで視聴可能の映画『さんかく窓の外側は夜』。漫画家ヤマシタトモコ原作のボーイズラブ要素を含むミステリー・ホラー作品である。

 

岡田将生×志尊淳のW主演で、脇を固めるのは独特の冷たい存在感を放つ平手友梨奈、シニカルな刑事役がどハマりの滝藤賢一

 

実写BL(?)だと、これくらいの濃さが好きだなあ、個人的に。ニアを超えない域だから、BLと言っていいか分からないけれども。ほんのりニオウくらいがちょうどいい。

 

子どもの頃から霊がハッキリと見えてしまう体質に苦しんできた三角(みかど・志尊淳)。「自分といればもう怖くないよ」という冷川(ひやかわ・岡田将生)の言葉に誘われて除霊の仕事を手伝うようになる。除霊中に知った「ヒウラエリカ」という人物が、巷で起きている殺人や呪いに関係しているらしいがーー?

 

原作では除霊の際に冷川と三角の魂が触れ合うことで、かなりの快楽が伴うらしく、そうと知っていると志尊くんの荒い息遣いがかなり妖しい…。

 

映画では冷川が三角のなかに「入る」「入らない」という言葉で説明されてて、「入っている」らしいという描写で志尊くんが背中、腰あたりに違和感を覚える描写があって、えっ入るって挿さる的な?(/-\*)

 

志尊くんは年上の奇人天才に振り回される美少年の役どころがピタリとハマるお顔立ちだと思う。耽美においたつ日本の古典ミステリとかお似合い。横溝正史原作のミステリードラマ『探偵・由利麟太郎』で、探偵役(吉川晃司)の助手役だったのもめちゃ合ってたもん。

 

さんかく窓のダブル主演で、そのまま江戸川乱歩の『孤島の鬼』ドンピシャだと思うんだよなあ。この作品は探偵役の美男子が主人公♂にはっきり恋情を抱いてて、その主人公が年齢的には大人なんだけど天才を狂わせるようなミューズ、あるいは美少年的に描かれているんだよな。

 

脱線したけど、本作はほんのりブロマンスな絡みを堪能しつつ、呪いが絡んだ連続猟奇殺人の真相を追う。いかにもな宗教団体とか教祖さまとか出てきて、古き本格ミステリを思わせるハチャメチャな世界観好きにはたまらない。

 

あからさまなグロ描写はないから、流血系苦手な私でもほとんど目をそらさず見られた。未回収な謎と続編をぷんぷんにおわせる終わり方で、スカッとしない不完全燃焼な感じも、逆に味。

 

ちなみに滝藤さんのシニカルな刑事役がどツボだった。ちょっと悪い感じのイケオジ刑事は佐々木蔵之介一択と思ってたけど、滝藤さん、好きだな。ヒウラエリカについては、てち(平手さん)のためのキャラクターじゃないかってくらいハマってた。

 

 

凪良ゆう「美しい彼」コラボカフェが天国だった…小説プロット拝観レポ【池袋虜】

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2021年11月19日から28日までの期間、池袋虜で開催中の凪良ゆう先生「美しい彼」TVドラマ化記念展 ~Behind the scenes~。

 

普段、BLは電子書籍でこっそり楽しむ派なんだけど、ある展示目当てで行ってきた。人生初コラボカフェ!

 

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池袋駅1a出口の長い階段をのぼって地上に出て、そのまま直進すると右手に見える赤いネオン。祝日の昼下がりに出掛けたけど、閑散とした場所で、ちょっぴりアングラ感がある。

 

こんなご時世だから入場は事前登録制。店の前で受け付けを済ませ、しばし列に並んで待機。先に並んでいる人たちがほぼおひとり様で、アラサー以上とお見受けする女性がちらほらいて個人的にかなり勇気をもらった(コラボカフェってもっと若い子たちがキャッキャしているイメージが…)(きっとコラボによるのだろう)。

 

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定刻になって、同時間枠の人たちと一斉に入場。先に一旦好きな場所に着席して、物販や飲食についての注意を受ける。そしていよいよ、フリータイム(?)開始。

 

みんながフード購入に向かうなか、私が向かったのは展示コーナー。テーブルの上にファイルが並んでいて、その1冊がなんと「美しい彼」のプロットなのだ!

 

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たぶん中身を…ってことだったんだろうけど、「no photo」の文字が強調されていたので写真は控えた。隣に置かれた先生のサインはパシャリ。

 

いかにして、美しい彼は生まれたのか。というか、小説ってどうやってできるんだろう…と、常々興味があったので、この機会を逃すまいと電子書籍の海からリアルに足を向けたわけである。というか、BL小説でいっちばん好きな作品のプロットだから、もうお金払ってでも見たいよね!!!?

 

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(ちなみに入場料500円、コラボドリンク850円、その他グッズetc.納めてきました)

 

ファイルをめくってみると、大きめフォント縦書きのA4用紙が14枚ほど。17枚だったかな。とりあえず、それくらいのボリュームで美しい彼の話の筋がぜんぶおさまっている。

 

さすがに自分だけがこの秘宝を独占するわけにはいかないので、さっと読むにとどめたが、見てきて間違ってなかった。とてもよかった。

 

書いていると突然キャラクターが動き出す、という小説家の話をたまに聞く。きっとこういうことなのか、とプロットを読んでいて思ったのは、書いていくうちに登場人物たちが深掘りされ、人間味が増していくってことなんだろう。

 

プロットは大まかな筋を記したものだから、当たり前ではあるが物語として未完である。きっとこうなって、こういって、こう着地するという流れであって、しかしもし、その通りに筆を進めようとしたら頭でっかちで面白味にかける。敷かれたレールを走らせる人生がつまらないのと同じだ。

 

たとえば、プロットの終盤、本当にラスト。ふたりのいちゃいちゃには、ハ●撮りやら、現像した行為中の写真をみてまたいたす…という内容があった。しかし、実際に小説のなかで動き出した平良は、絶対に「それは神に対する冒涜だ」とか言うだろう。

 

プロットでは違和感がなくても、実際に動き出した人物たちがその通りに動くわけではないのだ。物語作りの本質を見た気がして、大興奮だった。

 

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ちなみに壁面には葛西リカコ先生の美麗イラストがずらりと並べられていて浄化作用ハンパない。

 

おひとりさまがほとんどで、それぞれが思い思いに過ごしていて、ぼっちへの寂しさも、劣等感もわかず、まわりには大好きな「美しい彼」の世界。こういうのを、地上の楽園っていうんだろう。

 

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天国だった。

 

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下克上オメガバース「捨てないでマイヒーロー」(ひもだQ)感想

Ωが攻めでαが受け、そしてキャラクター的にも下克上モノの尖りまくった「捨てないでマイヒーロー」(ひもだQ)。絵柄が美しくて好みだったのもあるけど、とにかく主人公ふたりのキャラクターがよすぎた(語彙力)。

 

ざっくりあらすじを紹介すると、オメガのあずさはかつて自分をいじめから救ってくれたアルファの楓(かえで)に執着強めの愛情を持っている。あずさは性格がちょっと(?)歪んでて、真正面からアタックするのではなくて、発情(ヒート)を利用したハニートラップをしかける。

 

そしてこのハニートラップがねえ、たとえ「つがいになって子どもができても、君を繋ぎ止めておける自信がない」ってね、未開拓の快楽のほうで楓を溺れさせそうとするんですよ。だからオメガ×アルファ!

 

もちろん楓はそれをよしとしない。自分をコントロールしようとするあずさに屈しない。というか、当初はあずさの告白をきいて「利用してやろう」と不埒なことを考えていたから、あずさの策略にハマって濡れ場に突入しても、ストーリーへの抵抗感はあまりない。

 

楓が、決していい人ではないところが、本作のミソなんだな。そして、あっさり絆されることなく、自分の過去と向き合いつつも、相手のことを考えて、自分の結論を出すっていう。

 

こんなやつに出会ってしまったから仕方がない、ではなくて、俺が決めて付き合っていくんだという覚悟。その着地点へ向かうまでの面白さったら、いやあ土台が安定してますな。

 

オメガバースという時点でそうだけど、BLっていうのは基本ファンタジーだ。今は多様性の時代で、同性同士の恋愛だって当たり前になってきているけれど、それ(現実社会)とBLは区別していかなきゃ誰も幸せにならない。

 

ただ、ファンタジーはやっぱりベースにリアリティがあってこそ、その世界観が楽しめる。ファンタジーとリアリティの欠如っていうのはちがくて、人物造形にしろ、職業やシチュエーションにしろ「そうはならんやろ」という無理矢理感が出てくるとあっという間にしらけてしまう。

 

その点、本作は主人公ふたりの性格や愛情ベクトルにブレがなくて、しっかり1本筋が通っている感じ。「末長くおしあわせに…!」って余韻を広げてくれる。

 

現実だってキレイなもの同士で恋愛するわけじゃないし、パーフェクトな人も関係性もない。さすがにマンガだから…というキャラクターではあるけれど、その誇張された執着愛にこちらまでじわっと熱くさせられた。

 

 

 

「interlude 美しい彼番外編集」凪良ゆう感想、平清以上に推せるCPってある?(いやない)

水曜22時45分。普段なら翌日の仕事に備えてとっくに寝ている時間だが、メーカーズマークのロックを片手に「interlude 美しい彼番外編集」(凪良ゆう)の余韻に浸っている。

 

interlude, それは間奏。原作至上主義なところがあるから、正直TVドラマ化の話にはあまり食指が動かなかったのだけど、本書のあとがきでちらついたシリーズ4作目の予感には心が踊る。

 

どこまでも気高く、美しい清居。そんな彼を神のごとく拝み奉る、きもい、うざい、底辺の平良(けど実は隠れイケメンで、カメラマンとしての才能アリ)。

 

通称、平清(ひらきよ)を知ってから、もうこれ以上推せるCPはいないんじゃないかと絶望と幸せを同時に感じている。ひらきよ以上に、壁になって彼らの日常を愛でたいと思えるBL作品には、今のところまだ出会えていない。

 

本作は、これまで何かしらの特典や読みきり掲載された掌編を集めた番外編集だから、やはりふたりの関係性とストーリーでぐわっと読ませる本編に比べると、ごくあっさりとした読み口である。しかしひらきよを愛する者として、何気ないふたりの日常を垣間見ることのできるSSは、幸福ホルモンがふわふわ~と分泌されてホクホクとした。

 

何がいいってもう、美しい彼がドのつく変人にベタ惚れされていることだ。作者の言葉を借りれば、気持ちの悪い攻め、という言葉に尽きるだろうが、執着でも異常愛でもなくて(ある意味では、そうなのかもだけど)、ただひたすらピュアに愛を貫き通しているところがたまらない。

 

私がハッとして、ぐっときたアイドル曲に「急斜面」by乃木坂46というものがある。急斜面の坂を一度も立ち止まらずに自転車で上りきれたら、好きな子に告白しようという甘酸っぱい青春ソングだ。

 

だけど前には坂があって
僕のことを試そうとしている
足を着けずに登り切れたら
告白しよう

 

その坂というのが心臓破りと言われていて、必死に自転車をこぐ主人公を見て、ガキんちょたちが笑っている。けど、ここで諦めたら、君に好きだとは伝えられない。

 

坂の上まで やっとたどり着いたら
とにかく好きだ

「好きだ~!」

 

はい、ここ! まさにこの愛の叫びで曲は終わるのだけど、こんなに辛い急斜面を上りきって、恋が成就するのではない。ようやく告白していいと、自分に許可を出すだけである。ストイックとどMは紙一重だな。

 

そもそも想い人は、その姿を見ていないし、たとえ見ていても、バカなことやってんな~で終わったかもしれない。

 

この手の恋のおまじないとか、ジンクスは腐るほどあるけど、この努力は誰かに働きかけるものではなく、自分の気持ちを確かめて、強く固めているもの。端から見ると滑稽だけど、押し付けがましさが一切なくて、とても清らかなのだ。そう、平良みたいに。

 

そしてこんなにも平良が愛する美しい彼が、清居であることが尊い。美しく、それでいて必死に好きな人を理解しようと健気な一面がまた愛しい。

 

とにかく一読した直後、勢いでこのブログを書いてしまった。なんか本当に伝えたいことは1mmも書けていない感じが歯がゆいが、お楽しみも尽きたのでそろそろ寝るとする。

 

「アドリアン・イングリッシュ4 海賊王の死」感想。頼むから事件より愛する人を追ってくれ!

愛すか、憎むか。白か黒か。二択にできるほど、人の心はシンプルじゃない。(愛しているけど)素直になれないとか、(憎んでいるけど)なに食わぬ顔で付き合っていくとか、見えているものだけが全てじゃないから、そこから生まれる物語は面白い。

 

謎多き殺人を追うミステリーとディープなBLを一度に楽しめるアドリアン・イングリッシュシリーズ。第4作目となる「海賊王の死」(ジョシュ・ラニヨン)は、アドリアンとジェイクの関係にやきもきさせられて、正直事件どころではなかった。

 

前作までは、ジェイク・リオーダンの煮えきらない態度に日本刀を振り下ろして成敗したいくらいの気持ちでいたのだが…今作は、微妙に風向きが変わる。

 

一言でいえば、ねぇ、ちょっとアドリアンSAKURA, i love you(by 西野カナ)が過ぎるよ。

 

もしも君の側にいたら きっと今も泣いていたのに

彼の側にいたら ずっとずっと幸せなはずなのに

 

 

この曲を聴いてくれれば(あるいは歌詞を調べてくれれば)一発なのだが、元カレのことが好きすぎて今カレ(ガイ)が見えていない感じ。元カレへの未練タラタラで…なのに強がっている感じが…痛くて切ないというか、もう見てらんない!

 

いやそんな状態で今カレと付き合うなんて…みたいなクソ真面目なことを言うつもりはない。ジェイクとの関係は一応は終止符が打たれているし、そんな時に自分を想う第三者がいるのなら、素直に甘えておけばいいと思う。けれど、あまりに過去(元カレ)が強すぎる。

 

いやでも思えば、やっぱりジェイクがアドリアン半透明人間(by back number)にしているのかしら。これも歌詞をググって欲しいのだが、終わってもいないことは忘れられるはずがないのだ。

 

つくづく、まどろっこしい2人だなあ。ジェイクの葛藤は当時のアメリカ社会がベースにある云々というレビューを読んで、たしかに職や家族を失ってまで愛を優先させるより、折り合いつけてうまくやっていきたい彼の気持ちは分からなくもない。アドリアンに対して無自覚に酷い仕打ちをしていることは看過できないが。

 

事件より相手のことを追えよ! という気持ちに終始した本作は、ミステリー面の印象が個人的にはやや薄い。色々と溜飲が下がる結末を迎えるけれど、次作(最終巻)は新たな関係を迎えるジェイクとアドリアンの成り行きをシンプルに見守る形になりそうだ。

 

いやはやそれにしても圧巻のボリュームでした。

 

 

 

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