SNSで「BLじゃないよと装ってBL大団円な海外ミステリ」という趣旨のコメントを見かけて、とあるドイツミステリを読んでみた。 ネレ・イノハウスの「深い疵」という作品だ。BL大団円というのがある種のネタバレなので、どんな人物たちのBLストーリーなのか、…
恋愛ってふたりでする一大イベントだけど、人生でいうとほんの一部ですやん? なんやかんやあって2人はようやく結ばれました、めでたしめでたし。…とはならんのが「人生」ですやん? 単行本発売に先駆けて、pixivコミックで「雨上がりの僕らについてーそのさ…
2021年12月現在、Huluで視聴可能の映画『さんかく窓の外側は夜』。漫画家ヤマシタトモコ原作のボーイズラブ要素を含むミステリー・ホラー作品である。 岡田将生×志尊淳のW主演で、脇を固めるのは独特の冷たい存在感を放つ平手友梨奈、シニカルな刑事役がどハ…
2021年11月19日から28日までの期間、池袋虜で開催中の凪良ゆう先生「美しい彼」TVドラマ化記念展 ~Behind the scenes~。 普段、BLは電子書籍でこっそり楽しむ派なんだけど、ある展示目当てで行ってきた。人生初コラボカフェ! 池袋駅1a出口の長い階段をの…
Ωが攻めでαが受け、そしてキャラクター的にも下克上モノの尖りまくった「捨てないでマイヒーロー」(ひもだQ)。絵柄が美しくて好みだったのもあるけど、とにかく主人公ふたりのキャラクターがよすぎた(語彙力)。 ざっくりあらすじを紹介すると、オメガの…
水曜22時45分。普段なら翌日の仕事に備えてとっくに寝ている時間だが、メーカーズマークのロックを片手に「interlude 美しい彼番外編集」(凪良ゆう)の余韻に浸っている。 interlude, それは間奏。原作至上主義なところがあるから、正直TVドラマ化の話には…
愛すか、憎むか。白か黒か。二択にできるほど、人の心はシンプルじゃない。(愛しているけど)素直になれないとか、(憎んでいるけど)なに食わぬ顔で付き合っていくとか、見えているものだけが全てじゃないから、そこから生まれる物語は面白い。 謎多き殺人…
読書系の雑誌で各出版社の新刊タイトル一覧をぼんやりと眺めてみる。先生が生徒に別の意味で舐められたり、セクシーな隣人が淫らだったり、意外と過激なタイトルが多い。 ほへー、官能系って実はアツいジャンルなのか? なんて思っていたら、A●azonさんが私…
ちょっとしたすれ違いを、ボタンの掛け違えということがあるけれど、そうじゃないと思うんだ。 ボタンを掛け違えたくらいで、人はずっと引きずったり、後悔し続けたりするわけない。…ほんの、ちょっとしたことだったんだと、自分に言い聞かせて、諦めようと…
不意打ちでブロマンス砲をくらった気分だ。有栖川有栖の「スウェーデン館の謎」。かの臨床犯罪学者・火村英生と、作家で助手の有栖川有栖ことアリス(♂)が活躍する本格ミステリー長編である。 うんと昔から「火アリ」という界隈がアツいのは知っていたけれ…
孤島に新設されたリゾート地のモニターとして集められた客たち。夢のような場所で、事故か事件か微妙なラインの死亡案件が発生する。通信機器が使えず、警察も救助も、迎えの船も呼べない疑心暗鬼のなかで、さらなる悲劇が。 世間から完全に隔離された孤島!…
まるで2時間サスペンスドラマ、というレビューと、試し読みした冒頭の淫靡さに購入を決めた愁堂れなの「淫夢」。同い年の刑事コンビが結ばれる(?)までを描いたBL小説だ。 主人公の折本龍(受)は、繰り返し見る“淫夢”に悩まされている。自分が艶めかしい…
BLとミステリーって親和性の極みだと思うのだが、いかがだろうか。イニシエから2人の関係を匂わせる、ブロマンスな探偵小説は多いが、私が言いたいのはBLレーベルから、もっとガツンとしたミステリーものが出てもいいのではないか、ということだ。 というわ…
文庫本にして500ページ近くある超大作、いやあ読み応えがあった! 欧米BL(M/M)小説の翻訳レーベル、モノクローム・ロマンス文庫の人気シリーズ第3弾。ジョシュ・ラニヨンの「アドリアン・イングリッシュ 悪魔の聖餐」。 LAでミステリ専門のクローク&ダガ…
てっきり攻めだと思っていた“マドンナ”が、受けだと知ってすかさずポチッた有馬嵐の「きみの春花」。とある男子校に転校してきたピュアっ子1年生×学校一の美形3年生の青春BL漫画である。 作者さまのTwitterで1話が試し読みできて、気になってはいたのだけど…