ただ、ボラを愛でたくて。BL感想日記

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ミーハーとマイナー上等。ニアもブロマンスもニオイ系も好き。読んだBL感想をネタバレなしでレビューします。

男に抱かれる夢を見る謎が怖すぎた。刑事BL「淫夢」(愁堂れな)感想

まるで2時間サスペンスドラマ、というレビューと、試し読みした冒頭の淫靡さに購入を決めた愁堂れなの「淫夢」。同い年の刑事コンビが結ばれる(?)までを描いたBL小説だ。

 

主人公の折本龍(受)は、繰り返し見る“淫夢”に悩まされている。自分が艶めかしい美少年の姿で男に抱かれており、押し寄せる快楽に戸惑いつつも溺れる夢。しかし龍はゲイというわけでなく、男に抱かれたい欲望を自覚したことはない。夢のディープな内容はもちろんだが、“なぜ”こんな夢を見るのか分からない。

 

そんな折、同僚で親友の木下葵(攻)と追っていた殺人事件の関係者に、夢の美少年そっくりの高級男娼の祐貴が現れる。龍は淫夢の謎が解けるかもしれないと接触を試みるが、祐貴は何者かに殺されてしまい――。

 

要約すると、執着攻めが流され受けを娶るお話しでした。ちゃんちゃん。

 

まあ何が良かったって、時折挟まれる龍の夢シーンですね。タイトルから受けるほど過激ではなく、例えるならスリラー映画の「ブラック・スワン」みたいな官能感。どこか背徳的で、欲望先行のしっとりエロでございました。

 

ただね、龍が淫夢をみたり、祐貴が殺されてしまったり、ストーリーの中心にあった“なぜ”は、エピローグでさらりと種明かしされるのだけど、こりゃあちょっといただけませんなあ、というオチでした。個人的に。

 

龍が淫夢を見るのにはちゃんと原因があるんですよ~って分かるんだけど、それの犯罪臭がすごい。というか、それを当本人に明かさず、これからは俺が幸せにするから問題ないだろ的な葵の発想が怖い。こう…龍の気持ちが置いてきぼりにされてる感があって、いたたまれんのです。

 

葵について、作中でもあるキャラクターから「タチが悪い男」って言われているんだけど、もし第三者が“淫夢の真相”を知ったら、全力で葵から龍を遠ざけたくなるくらい悪いと思う。

 

…そういう意味では、これってハッピーエンドというより、ホラーエンドといえそうだ。そう解釈すると、オカルティックな雰囲気も手伝って、怖すぎる執着攻めを読んでゾクゾクしたい時にいいかもしれない。